百姓家の納戸

       十二

「百姓家の納戸の薄暗い中に、毛筋の乱れました頸脚《えりあし》なんざ、雪のようで、それがあの、客だと見て真蒼《まっさお》な顔でこっちを向きましたのを、今でも私《わたくし》は忘れません。可哀そうにそれから二年目にとうとう亡《なく》なりましたが、これは府中に居た女郎上りを買って来て置...

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十八になるのを伴《つ》れて参りました

「まあ、お聞き遊ばせ、こうなんでございますよ。 それから何事を差置いても探しますと、ございました。来るものも一生奉公の気なら、島屋でも飼殺しのつもり、それが年寄でも不具《かたわ》でもございません。(色の白い、美しいのがいいいい。) と異な声で、破風口から食好みを遊ばすので、十八になるのを伴《つ...

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麦の香のする田舎饅頭

      十一

「在り来《きた》りの皮は、麁末《そまつ》な麦の香のする田舎饅頭なんですが、その餡の工合《ぐあい》がまた格別、何とも申されません旨《うま》さ加減、それに幾日《いくか》置きましても干からびず、味は変りませんのが評判で、売れますこと売れますこと。 近在は申すまでもなく、府中八王子|辺...

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