府中の白雲山の庵室

 府中の白雲山の庵室へ、佐助がお使者に立ったとやら。一日|措《お》いて沢井様へ参りましたそうでございます。そしてこれはお米から聞いた話ではございません、爺をお招きになりましたことなんぞ、私はちっとも存じないでおりますと、ちょうどその卜《うらない》を立てた日の晩方でございます。 旦那様、貴下《あなた...

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洋犬《かめ》の妾《めかけ》

       十四

「洋犬《かめ》の妾《めかけ》になるだろうと謂われるほど、その緋の袴でなぶられるのを汚《けがら》わしがっていた、処女《むすめ》気で、思切ったことをしたもので、それで胸がすっきりしたといつか私《わたくし》に話しましたっけ。 気味を悪がらせまいとは申しませんでしたが、ああこの女《こ...

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五宿の女郎

 もうもう五宿の女郎の、油、白粉《おしろい》、襟垢《えりあか》の香《におい》まで嗅いで嗅いで嗅ぎためて、ものの匂で重量《おもり》がついているのでございますもの、夢中だって気勢《けはい》が知れます。 それが貴方、明前《あかりさき》へ、突立《つった》ってるのじゃあございません、脊伸をしてからが大概人の...

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