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異様なる持主

「堪忍をするから謝罪《あやま》れの。どこをどう狂い廻っても、私《わし》が目から隠れる穴はないぞの。無くなった金子《かね》は今日出たが、汝《うぬ》が罪は消えぬのじゃ。女《むすめ》、さあ、私《わし》を頼め、足を頂け、こりゃこの杖に縋《すが》れ。」と蚊の呻《うめ》くようなる声して、ぶつぶついうその音調は、...

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旦那様、お米さん

       十八

「おお、あれは。」「お米でございますよ、あれ、旦那様、お米さん、」と判事にいうやら、女《むすめ》を呼ぶやら。お幾は段を踏辷《ふみすべ》らすようにしてずるりと下りて店さきへ駆け出すと、欄干《てすり》の下を駆け抜けて壁について今、婆さんの前へ衝《つ》と来たお米、素足のままで、細帯...

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高き天を頂いて

 正に大審院に、高き天を頂いて、国家の法を裁すべき判事は、よく堪えてお幾の物語の、一部始終を聞き果てたが、渠《かれ》は実際、事の本末《もとすえ》を、冷《ひやや》かに判ずるよりも、お米が身に関する故をもって、むしろ情において激せざるを得なかったから、言下《ごんか》に打出して事理を決する答をば、与え得な...

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